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Online edition:ISSN 2758-089X

同種臍帯血ミニ移植を施行し,graft-bersus-leukemia effectを認めた家族性白血化骨髄異形成症候群の1例

 症例は65歳,男性.28年前に長男,25年前に兄が急性骨髄性白血病で死亡.4月汎血球減少が出現し,9月白血化骨髄異形成症候群と診断された.芽球は表面CD13,CD33,CD34陽性.化学療法後に芽球消失するも不応性貧血は持続し,同種臍帯血ミニ移植術を受けた.移植後,皮膚のgrade Iの急性移植片対宿主病(GVHD)を合併するも重篤な合併症を認めなかった.しかし,移植6ヶ月後に血小板減少と肝機能障害を認め,骨髄穿刺で,CD4,CD13,CD33,CD56陽性芽球を46.5%認め再発した.皮膚慢性GVHDに対するFK506隔日0.5mg内服を中止したところ造血は回復し,4週後の骨髄で白血病芽球の消失とキメリズム解析でドナー型99.5%を確認した.本例は臍帯血ミニ移植後再発した白血化骨髄異形成症候群に対し,免疫抑制剤中止にてGVL効果を観察し得た貴重な症例と考えられる. (平成19年12月6日受理)
著者名
土山 準二郎,他
34
2
117-123
DOI
10.11482/2008/KMJ34(2)117-123.2008.jpn.pdf

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