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欠損型マイオスタチン受容体による筋分化の促進効果

 骨格筋形成の過程で一過性に発現するマイオスタチン(myostatin;MSTN)は筋芽細胞の増殖と分化を負に調節し,その機能欠失変異によって過剰な筋肉が形成される.MSTNは成熟後,膜受容体であるII型アクチビン受容体(ActRII)に結合して細胞内へシグナルを伝え,筋芽細胞の分化を調節している.2つあるActRIIのうちA型は皮筋節や筋肉塊の周囲で発現し,MSTNの発現部位と時間的,空間的に重なっているのに対し,B型は主に神経管で発現している.欠損型のII型受容体を過剰に発現すればMSTN作用の最初の段階でシグナルを遮断でき,欠損型受容体は競合的に働く制御因子として作用する.この作用をマウス筋芽細胞C2C12およびニワトリ胚の間充織細胞の初代培養系で検定した結果,予想通りの効果が得られ,特に速筋型の筋線維に対して有効であった.A,Bの2つあるActRIIのうち,筋肉で特異的に発現しているA型の優性欠損型は筋肉特異的な遮断に有効であると考えられる.(平成18年6月13日受理)
著者名
高田 温行,他
32
4
175-186

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