h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

限界的な医療に対する大学生の意識

 医療技術のめざましい発展は我々に多くの問題を課すことになった.その中でも最も重大なものの二つが,医療の質と,生命科学や先端医療技術の成果への対応の問題である.前者では心の医療,医療の目的とQOL(Quality of Life生命の質,生活の質),死生観などが問われる.後者には遺伝子操作,生殖技術,脳死,臓器移植などをめぐる倫理問題がある.そしてこの両者をめぐって,医療者・患者に関わる諸問題,例えばインフォームド・コンセント,告知などの問題がある.これらの問題に取り組むのが生命倫理学(Bioethics)である1).そして,先端医療における近年の飛躍的進歩と社会における価値観の変化により,医療の現場においても現行法や従来の常識では処理しきれない多くの問題を生み出している2).  したがって,医療倫理を考える機会を持つことを目的として,社会生活の中で,また臨床,研究などの現場で,判断を下す時,どうすればよいかという考え方の基礎づくりのために,オムニバス教育方法で,生命倫理の授業が行われている3). (平成17年12月8日受理)
著者名
李 恵英,石津日出雄
31
4
249-256
DOI
10.11482/KMJ31(4)249-256,2005.pdf

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