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経頭蓋的磁気刺激による脊髄前角細胞の興奮性に関する研究 ―正中神経刺激による脊髄前角細胞の興奮抑制時間の測定―

 脊髄前角細胞について,その興奮に続く抑制時間を検討した報告は少ない.そこで健常成人93名を対象として,末梢神経の電気刺激による前角細胞の興奮に続いて,経頭蓋的磁気刺激法による再興奮の有無を検討した.表面電極,同心型針電極およびsingle fiber針電極を用いて単独で運動誘発電位を記録したところ,これら3群間に電極による明らかな潜時の差は認められなかった.前角細胞より末梢でcollision (衝突)を起こさせた波形を経頭蓋的磁気刺激法のみの波形と比較したところ, collision technique を用いた場合の方が有意に潜時の延長が認められた.電気刺激が先に前角細胞に到達した後に磁気刺激が前角細胞に到達するよう設定した場合,多くの例で潜時の遅れが認められた.以上の結果から,従来報告されているdiscending volleys の骨格筋での記録は疑わしいと考えられる.また,多くの前角細胞は,末梢神経の電気刺激によって,数ms~数十ms以上の興奮抑制が生じると推察される.                  (平成13年10月16日受理)
著者名
平岡 崇
27
4
293-303

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