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基礎疾患のない小児に認められた胸痛以外症状のない肺膿瘍の1例 ―健康小児の肺膿瘍―

 症例は生来健康の11歳男児.発熱や感冒症状もなかったが,突然胸痛を訴え,当院救急外来を受診し,胸部レントゲンで2ヵ所の結節性陰影を認めたため入院となった.胸部CTでは1ヵ所にニボー像があった.エコーガイド下に胸壁に接した部位を経皮的穿刺し,細菌学的検査に提出したが,嫌気性菌や結核菌を含め,細菌を同定することができなかった.入院後CRPは半日で0.8 mg/dl から3.2 mg/dl に上昇したが, PAPM/BPの投与4日目で陰性化した.免疫学的検査ではT細胞やB細胞,免疫グロブリンにも異常なく,好中球の貪食能や殺菌能にも異常を認めなかった.小児の肺膿瘍は稀であるが,基礎疾患を持つ児に多い.胸痛の直前まで無症状で炎症反応も強くなかったことから, silentabscessと考えられた.我々が捜し得た限りではこのような報告はなかった.原因については不明であった.                     (平成13年8月18日受理)
著者名
荻田 聡子,他
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3
231-235

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