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Online edition:ISSN 2758-089X

髄膜炎を合併したB群連鎖球菌による多発性化膿性脊椎炎の1例

 骨髄炎は頻度の少ない感染症とは言えないが,B群連鎖球菌による成人例の本邦における報告は見受けられないので報告する. 症例は56歳男性.発熱と頸・腰部痛を主訴に当科へ紹介転院となった.血液培養,髄液検査,頸腰部MRI等の検査でB群連鎖球菌による,敗血症と髄膜炎を伴う多発性脊椎炎と診断され, Ampicillin (ABPC)の10週間の点滴治療にて改善した.この症例ではアルコール依存症と耐糖能障害が発症に関与していたと考えられた. 本例は,外傷や末梢血管病変によらない成人のB群連鎖球菌による多発性骨髄炎の本邦初報告例と考えられる.                  (平成11年2月13日受理)
著者名
中泉 博幹,他
25
1
55-61
DOI
10.11482/KMJ-J25(1)055-061.1999.pdf

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