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頭頸部腫瘍由来細胞株の放射線照射におけるアポトーシスの基礎的検討

目的:臨床的に問題となる放射線治療後の抵抗性獲得の基礎的検討として,放射線照射後の2種類の頭頸部由来扁平上皮癌細胞株のアポトーシスについて検討した.材料と方法:口腔底由来のKB株と喉頭由来のHEp-2株に放射線照射を行い,その放射線感受性を軟寒天コロニー法で検討した.次にアポトーシスの出現をTUNEL法で検出した.さらに膜表面Fas分子(mFas)の発現をフロ-サイトメトリーにて検討し,MP-RT-PCR法によりmRNAレベルでアポトーシス関連遺伝子の発現を比較検討した.結果:放射線感受性はHEp-2株に比べKB株の方が良好であった.照射後のアポトーシスはKB株では線量依存性に,HEp-2株では時間依存性に出現を認めたが,KB株の方が早期より出現していた. mFasば両株とも通常の維持培養下で陽性であったが,照射後には時間依存性の増強が認められた.アポトーシス関連遺伝子はFlice,TNFR-1,Baxの発現がKB株で亢進していた.また,KB株でdecoy receptor(DcR 3 )遺伝子の発現も認められた.結論:放射線はp53の発現亢進によって癌細胞にアポトーシスを誘導すると考えられるが,Fas関連アポトーシスと膜表面Fasの発現量の増加も放射線誘発アポトーシスに重要な働きをしていると考えた.                   (平成12年8月10日受理)
著者名
宇野 雅子
26
3
147-154

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