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Online edition:ISSN 2758-089X

当大学医学生の喫煙状況に関する調査,1998~1999年

 平成10年度(1998年)と平成11年度(1999年)の2年間に,川崎医科大学の第5学年医学生における喫煙状況に関する調査を実施した.調査方法としては,呼吸器内科に臨床実習のため回って来た際に,各班ごとに一人ひとりの喫煙習慣などについて聞き取りを行った.1998年,1999年の喫煙率は,それぞれ男.子学生で55,71%,49,3%,女子学生では29、2%,13.9%であった.いずれの年度においても,留年したことのある学生の喫煙率(1998年:男子80.0%,女子50.0%;1989年:男子89.5%,女子25.0%)は.ストレートに進級してきた学生(1998年:男子46.0%,女子27,3%;1999年:男子33.3%,女子10,7%)の喫煙率よりも高かった.喫煙している学生の過半数は未成年の時からタバコを吸い始めており,しかも男子ではほとんどが大学入学前から喫煙していた.現在吸っているタバコの種類をみると,外国タバコが男子の1/3,女子の1/2を占めており,男子の約7割,女子は全員が低タール・低ニコチン製品を吸っていた.喫煙動機は「好奇心」,「友人・先輩の勧め」,「何となく」が多かった.一方,非喫煙者がタバコを吸わない理由は,男女とも「煙・臭いが嫌い」が最も多く,「興味がない」がそれに次いでいた.その他の理由として「健康に悪い」,「家族が吸わない」などが挙げられた. 今後は当大学の入試に際して喫煙状況をチェックできるようにするとともに,入学後にも学生がタバコを吸わないための知識・態度・技能が得られるようなアンチスモーキング教育を行っていく必要があろう.                (平成12年6月5日受理)
著者名
川根 博司,松島 敏春
26
3
129-134
DOI
10.11482/KMJ-J26(3)129-134.2000.pdf

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