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赤血球膜蛋白 protein 4.2 異常症の病態分析と病因解析に関する研究

 赤血球膜蛋白protein 4.2 (P4.2)異常症は,先天性溶血性貧血の原因となり得る事.そして,このP 4.2異常症は日本人に多いという特徴が知られている.そこで, P4.2分子異常症を集積,分類し,その遺伝子解析を通じて得られる特徴を検索することとした.本研究では,先天性溶血性貧血80家系. 179例を電気泳動法を用いて膜蛋白定量を行い.このうち臨床的に優性遺伝が確定されなかった球状赤血球症(non-autosomal dominanthereditary spherocytosis(non-AD HS)),表現型がHSとは異なるP4.2完全欠損症,P4.2 doublet 等のP4.2異常症を,電気泳動所見上4型に分類した.このうち25症例についてP4.2及びその結合蛋白であるband 3 の遺伝子解析を行い, P 4.2異常症の病因遺伝子の同定を試みた.その結果,まずP4.2の質的異常症に関しては,異常蛋白を発現するtypeのP 4.2 doublet Nagano 症例(72/74 kD)においてP4.2遺伝子のR 488 H が同定され,その病因となることが示唆された.次に, P4.2の量的異常に関しては,中等度~高度P4.2欠損症では, band 3 遺伝子に病因を有する(実例:Band 3 Fukuoka : G 130 R)事が多く,またP4.2の完全欠損症では, P4.2遺伝子の点変異,すなわちNippon type(A142 T)がその実例であることが判明した.軽度P 4.2欠損症では,その病因をP4.2又はband 3遺伝子に持たず,他の膜蛋白分子異常によってP4.2が二次的に欠損したものと推定された.                           (平成10月27日受理)
著者名
賀来 万由美
24
4
243-260

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