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非アルコール性脂肪性肝炎の経過中に筋強直性ジストロフィーと診断された1例

 症例は42歳女性で,弟に筋強直性ジストロフィーがある.脂肪肝と診断され,外来通院していたが,肝生検を施行され非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)と診断された.一方,今回入院の数年前より歩行が遅く,神経内科外来に紹介され精査目的で入院した.斧状顔貌を認めたが,grip myotonia やpercussion myotonia は明らかではなかった.四肢の筋力は正常だが,歩行はやや緩徐であった.血液検査では総コレステロール,γGTP 及びHOMA-IR の高値を認めた.針筋電図では,刺入時に急降下爆撃音が聴取された.遺伝子検査にてDM プロテインキナーゼ遺伝子のCTG 反復配列が約1,300回と増幅を認めた.筋強直性ジストロフィーの家族歴,針筋電図検査,遺伝子検査から筋強直性ジストロフィー1型と確定診断した.筋強直性ジストロフィーは骨格筋の障害の他に,様々な臓器の障害をきたすことが知られているが,NASH を合併した報告例はごく少数である.近年NASH あるいは非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease:NAFLD)患者は急増しており,それらの中に筋強直性ジストロフィーが合併している場合があることも念頭に置くべきと考える.(平成25年2月12日受理)
著者名
山田 治来,他
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3
95-99

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