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発病初期に両下肢麻痺の症状を呈して入退院を繰り返した精神分裂病の1例

精神分裂病の初発症状は極めて多彩であり,ときに種々のヒステリー症状を呈することはすでに報告されてきている.しかし,それらの多くは解離型であり,転換型の報告は少ない.今回われわれは精神分裂病の発病初期に両下肢麻痺の症状を呈した17歳男性の1例を経験したので報告する.本例は神経学的所見と一致しない一過性の麻痺症状が出現していた.しかし,整形外科での精査では原因が不明であり,偶然発見された仙骨嚢腫の摘出術を施行されたものの麻痺症状は変化なかった.このため川崎医科大学精神科を受診.外来通院中に幻聴,注察妄想などの分裂病症状が明らかになった.異常体験は抗精神病薬投与を含む治療により消退し,これにともない麻痺症状も認められなくなった.本例は転換型のヒステリーと鑑別を要した1例であった.   (平成8年10月15日採用)
著者名
鉾石 和彦,他
22
3
209-211

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