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大学病院総合診療科の役割 - walk-in 患者における緊急入院症例の検討より-

 大学病院でもgate-keeper の役割をもつ総合診療科での緊急入院症例について検討した.2010年4月-2011年3月に川崎医科大学附属病院総合診療科を受診(初診)した2,435例(男性1,130例,女性1,305例,15-92歳,中央値37歳)を対象とした.その中で緊急入院を要した40例(全体の1.64%,男性20例,女性20例,16-88歳,中央値64歳)の入院専門科,原因疾患,診断法について検討した.また,年齢によりyoung group(15-39歳),middle group(40-64歳),eldergroup(65歳以上)に分けてその特徴を検討した.原因疾患は急性炎症性疾患が25例(62.5%)と最も多く,悪性疾患5例,心不全3例,その他7例であった.決め手となった検査は超音波検査が19例(47.5%)と最も多く,胸部X 線7例,検体検査5例であった.入院診療専門科は消化器系が20例(50%)と最も多く,循環器系5例,腎・泌尿器系3例,脳神経系3例,その他9例であった.年齢グループ毎の緊急入院頻度はyoung で0.84%(11/1,302),middle で1.32%(9/682),elderで4.43%(20/451)であり,elder で有意に高かった.Young では11例中8例が急性炎症性疾患,そのうち5例が消化器系疾患(急性虫垂炎や細菌性腸炎など)であった.一方,elder では20例中11例が急性炎症性疾患であったが,胆道系疾患が4例,肺炎が2例などyoung とは疾患が異なっていた.また,悪性疾患が4例,心不全が3例あり特徴的であった.以上より,walk-in 患者の中にも特に高齢者では緊急入院が必要な重篤な疾患もあり,注意が必要と考えられた.また,医療面接・身体診察に簡便な検体検査や侵襲性の低い胸部X 線や超音波検査を加えることで大部分は初期対応が可能と考えられた.(平成24年8月25日受理)
著者名
井上 和彦,他
38
4
173-179

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