h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

臓器微小循環の生体内解析のためのセルフォックレンズCCD顕微鏡の開発と応用

レーザーの開発に始まる光エレクトロニクスの発展,光IC技術の進歩など光技術はめざましい発展をし,さまざまな分野でその波及効果がみられている.循環器分野でもしかりであり,血流分野でも光エレクトロニクスの展開がみられている.われわれの研究課題である冠循環は,心筋の栄養血管であるが,その血流障害の結果として,狭心症や心筋梗塞を引き起こす.しかし,心拍動に伴って冠血管も拍動しているので,これまでの方法では心筋内微小血管での血流や血管イメージは不可能であった.そこで,我々は,新しく開発したニードル型CCD (Charge Coupled Device)顕微鏡(日本光電と共同研究)を用いることによって,初めて拍動下心内膜側微小血管の血管イメージングを得ることに成功し,同部での血管動態評価が可能となった.今日の結果を要約すると,1)心内膜側細動脈および細静脈の血管径は拡張末期から収縮末期にかけて約20%減少した.2)心内膜側細動・細静脈ともに血管径が小さいほど,径の拍動変化が小さい傾向が見られた.本法は他臓器にも応用可能であり腎微小循環,口腔内微小循環の研究が進んでいる.                        (平成5年11月29日採用)
著者名
梶谷 文彦,他
20
1
7-11
DOI
10.11482/KMJ20(1)7-11.1994.pdf

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