h_kaishi

t_toukou

食事中および食後の腹痛を訴え,広義の celiac artery compression syndrome と診断した1例

 症例は10歳代女性.数年前から食事を食べている最中や食後に上腹部の差し込むような痛みを自覚するようになったが,自然に消失するため放置していた.しかし,症状は度々出現し,2~3か月前からは痛みの程度も強くなったため,X 年1月川崎医科大学附属病院,総合外来(総合診療科)を受診した.痛みは食直後や食べている最中に出現し始め,摂食直後が最も強く,その後30分から1時間位かけて徐々に改善した.血液や尿検査には明らかな異常は見られず,上部消化管内視鏡検査でも症状の原因は明らかではなかった.腹部超音波検査(US)でルーチン検査後,腹腔動脈の血流を測定したところ,流速は高値でありUS でのCeliac Artery CompressionSyndrome(CACS)の診断基準を満たした.造影CT 検査では腹腔動脈の明らかな狭小化は認めなかったが,広義のCACS に相当すると考えられた.食事に関連する上腹部痛を主訴に来院する患者の中に,CACS が含まれる可能性があり,今後は疾患自体の啓発活動と共に診療システムの確立が必要とされる.(平成24年6月5日受理)
著者名
楠 裕明,他
38
3
151-158

b_download