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当科における乳癌診療・研究の変遷と進歩

川崎医科大学内分泌外科における乳癌診療・研究の変遷と進歩について述べる. 1975~1993年までに計11,965例の新患外来患者と計771例の原発乳癌患者の診断と治療を行った.外来新患患者数と乳癌症例数は徐々に増加し,ここ7年間は前者は年間約700例を超え,後者は年間50例を超えている.最近乳癌症例は早期例が増え,病期Iが約40%を占めるようになり,病期IIとほぼ同数となった.乳腺疾患の診断にはmammography, echographyのほかthermographyとfine needle aspiration cytology (FNAC)を取り入れている. 1984~1992年の乳癌312例におけるFNACの成績は陽性率85%, false negative rate 5%であった.手術術式については1985年よりmodified radical mastectomy がstandard radical mastectomyより多くなり,最近では約2/3の症例にmodified radical mastectomy が行われている.1986年よりbreast conserving therapyが開始され, 1992年までに65例にこの治療を行い,局所再発はなく,骨転移が1例のみで,良好な治療成績が得られている.再発乳癌に対しては定期的な画像診断と腫瘍マーカー検査による早期発見とquality of lifeを考慮した積極的な治療を行っている.さらにDMBAラット乳癌やMCF-7細胞にFGF-4遺伝子とlacZ遺伝子を組み込んだMKL-4乳癌転移モデルを用いた基礎的研究も行っている.   (平成6年6月6日採用)
著者名
園尾 博司,他
20
S
157-165

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