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Online edition:ISSN 2758-089X

川崎医科大学附属病院における小児眼科手術

当院に於ける, 1980年1月から1989年3月までの10年間の小児眼科疾患の手術統計についてその概要を明らかにした.年齢は0歳から15歳まで,症例数は1184症例で男子531例,女子653例を対象とした.1年間の症例数は約118症例になり,男女差はなかった.年齢については6歳を中心に正規分布を示していた.全症例のうち斜視が過半数を占め(662症例,60%)ついで,内反症,眼瞼下垂,先天性白内障であった.部位別では,外眼部疾患が全体の80%を占め,斜視,眼瞼の形態異常がほとんどを占めていた.また,どの部位についても先天性異常が大半を占め,次いで外傷が多かった.手術時期については先天性白内障,眼瞼下垂など視機能発達の問題となる疾患は乳幼児期の早期治療の対象になっているが,網膜剥離は学童期に集中していた.以上,これらは一般的統計と大差はなかったが,斜視に於けるボツリヌス毒素療法など非観血的な外来治療に移っていることなどから,今後急速な変遷を示すと思われる.                                  (平成5年3月4日採用)
著者名
西岡 ゆかり,他
19
1
45-50
DOI
10.11482/KMJ19(1)45-50.1993.pdf

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