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Online edition:ISSN 2758-089X

脳幹部Aberrant Peripheral Nerve Bundleの組織学的検討

Aberrant peripheral nerve bundle (APNB)は,中枢神経系における高度な病変,たとえば,梗塞,出血,また外傷などの後に反応性に出現してくるものであり,脊髄におけるものはこれまでに多数の報告があり,末梢性髄鞘を伴った末梢神経線維からなるとされている.しかし,脳幹部におけるものについては詳細な報告はほとんどない. 今回我々は多数の剖検脳より脳幹部に高度な病変をもつもの連続80症例を対象にAPNBの有無を検索した結果,4症例にAPNBを認めた. これら4症例を対象にさらに免疫組織化学的に検討した結果,脳幹部におけるAPNBも脊髄のそれと類似の性状のものではないかと考えられたが,その起源は,血管壁の自律神経である可能性が考えられた.    (平成5年9月30日採用)
著者名
池添 浩二,他
19
3
181-185
DOI
10.11482/KMJ19(3)181-185.1993

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