h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

血管芽細胞腫(中川)

8歳,男児の背部に生じた血管芽細胞腫(中川)を報告した.3年前より背部に軽度の圧痛を伴った紅斑が出現し,徐々に拡大するため当科を受診した.初診時,左肩甲骨下縁に手掌大の暗赤色浸潤性局面があり,局面の一部には丘疹を伴っていた.局所の発汗亢進は明らかではなかった.組織像では真皮上層から深層にかけて,惰円形の核を持った血管内皮細胞類似の細胞が巣状に増殖し,小管腔を多数形成していた.管腔内には赤血球を認め,腫瘍細胞には異型性や核分裂像は見られなかった.以上より本症例を血管芽細胞腫と診断し,無治療にて経過観察を行った.本症の予後と治療適応につき検討を加えた.                      (平成5年10月2日採用)
著者名
延藤 俊子,他
19
3
249-252
DOI
10.11482/KMJ19(3)249-252.1993

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