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201-Thallium Chlorideと99m-Technetium Pertechnetateの動態解析による甲状腺結節の鑑別診断に関する研究:結節および正常甲状腺の厚さとバックグランドの補正

甲状腺結節の良性と悪性の鑑別を核医学的手法を用いて行う目的で,集積機序の異なる201-Thallium chloride (以下201-Tl CI と略す)と99 m-Technetium pertechnetate (以下99m-Tcと略す)との時間・放射能曲線を解析した.著者は,乳頭癌では正常甲状腺,濾胞腺腫および腺腫様結節に比して201-Tl CIの集積が低く,しかもクリアランスが遅延するのに対して, 99m-Tcの集積動態は組織型による差が認められないことを既に報告している.本論文では,結節の厚さ,結節の前後に存在する正常甲状腺組織およびバックグランドの及ぼす影響を補正し,結節の単位体積当りの時間・放射能曲線を求め,組織型による差異を検討した.99m-Tcを用いた時間・放射能曲線では,いずれの結節性病変も99m-Tcの集積は低く,かつ時間の経過に伴う変化はほとんど認められず,良性と悪性の鑑別には有用でなかった.201-Tl CI の時間・放射能曲線を解析した結果, 1 ) 201-Tl CI の乳頭癌組織への集積は正常甲状腺,濾胞腺腫および腺腫様結節に比較して低いが,クリアランスが不良であるために腫瘍組織内に長く残存すること,2)濾胞腺腫組織では正常甲状腺組織と同程度の集積があり,正常甲状腺と同程度のクリアランスで結節内から排出されること,3)腺腫様結節の組織では正常甲状腺組織と同程度の集積があるが,クリアランスは比較的不良であることが確認され,良性と悪性の鑑別に有用であることが示された.(平成5年10月23日採用)
著者名
吉川 啓一
19
4
337-346

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