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Online edition:ISSN 2758-089X

糖尿病患者コントロール指標としての1, 5-AGの有用性

1, 5-anhydro-D-glucitol(1, 5-AG)は,糖尿病患者で減少することが報告され,新しい糖尿病マーカーとして期待されている.我々は,70名の糖尿病患者,インスリン依存型糖尿病(IDDM) 9名とインスリン非依存型糖尿病(NIDDM) 61名でその有用性を検討した. NIDDM 8名で75g経ロブドウ糖負荷テストを施行し,短時間の1, 5-AGの変動を検討したが,血糖値の上昇にかかわらず, 1, 5-AGに有意な変動は認めなかった. HbAlc,フルクトサミンとは良好な相関性を示した. NIDDM53名で血糖状態改善に伴う1, 5-AGの変動を検討した.血糖改善により1, 5-AGは有意な上昇を認めたが,入院時平均血糖値200mg/dl以上のコントロールの不良群は200mg/dl以下の良好な群に比し1, 5-AGの改善率は大であった.血糖コントロール状態の同様なNIDDMとIDDMでは, 1,5-AGに有意差は認めなかった. 1, 5-AGは糖尿病状態の新しいマーカーとして今後が期待される.(平成4年2月4日採用)
著者名
津島 公,他
18
1
21-24
DOI
10.11482/KMJ-J18(1)021

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