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Online edition:ISSN 2758-089X

実験過敏性肺臓炎における細胞性免疫の関与に関する研究

BALB/CマウスおよびBALB/Cヌードマウスを用い,経気道的および経皮的感作後の経気道的長期曝露にて過敏性肺臓炎(HP)を作製した.ヌードマウスを含むいずれのグループにも同様の程度で肉芽腫の形成を認めた.マウスにおいては経気道的感作の頻回曝露では肺内リンパ球の増生巣,胸膜のリンパ球の増生巣が強く,またヌードマウスではマウスに比較して病変の程度は軽度で,経皮的感作においてより病変が強くなる傾向があった.この実験結果はよりヒトHPの感作,曝露状態に近いと思われる長期曝露感作でヒトHP類似の病変を作ることができ,肉芽腫の形成にはIV型アレルギーは必ずしも必要ではないが,HPの病理発生に細胞性免疫は何等かの関与があるものと考えられた.(平成4年10月20日採用)
著者名
中島 正光
18
3
237-249
DOI
10.11482/KMJ18(3)237-249.1992.pdf

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