h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

眼症状を主訴とした術後性篩骨洞嚢胞の1症例一本邦における副鼻腔嚢胞報告例の検討一

今回,我々は60歳の女性で副鼻腔根治術後25年後に発症した右術後性篩骨洞嚢胞の症例を経験した.初発症状は右内眼角の腫脹と疼痛,複視,流涙および前頭部痛であった.最初に眼科を受診し,精密検査にて耳鼻科疾患と診断され当科に紹介となった.CTで右篩骨洞に嚢胞を認め,前頭洞にも液体貯留を認めた.右鼻腔内に中鼻甲介と下鼻甲介の間に隆起性病変を認め,その部位を開放すると諸症状は改善した.術後性副鼻腔嚢胞は上顎洞が殆どであるが,前頭洞,篩骨洞,蝶形骨洞にも少数ながら発生する.本邦の報告例を検討し,部位間での症状の違いや発生機序について考察し報告する.                                (平成4年8月20日採用)
著者名
半田 徹,他
18
3
251-257
DOI
10.11482/KMJ18(3)251-257.1992.pdf

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