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自然発症糖尿病モデルWBN/Kobラットにおける糸球体上皮細胞の超微形態的研究

自然発症糖尿病モデル動物における腎障害について糸球体上皮細胞を中心に超黴形態的に観察し,糖尿病性腎障害の初期病変の関与について検討した.雄性自然発症糖尿病モデル動物(WBN/KObラット)は生後9ヵ月齢から血糖値が上昇し,10ヵ月齢からは対照群に比して有意に尿蛋白排泄量が増加した.病理組織的には,光顕では14ヵ月齢まで形態変化を認めず,16ヵ月齢で限局性の糸球体係蹄硬化像が出現した.電顕的には,9ヵ月齢から糸球体上皮細胞の核およびGOlgi装置の発達等の微細構造の変化が出現し,以後は,足突起や細胞質の変性像が出現した.糸球体基底膜の肥厚やメサンギウム基質の増加は上皮細胞の形態変化に遅れて出現し,蛋白尿も次第に増加した.このことはWBN/Kobラットにおける糖尿病性腎障害の初期形態変化は糸球体上皮細胞の形態変化であり,上皮細胞の障害過程でボウマン嚢上皮細胞と係蹄壁の癒着が起こり,硬化病変が出現,進行する可能性を示唆していると思われる.     (平成4年10月30日採用)
著者名
佐藤 哲也
18
4
289-304

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