h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

化学的消化法を用いた肝表在毛細リンパ管の走査型電子顕微鏡的研究

肝被膜を用手剥離した後に化学的消化法(HCl-collagenase法)を利用する被膜剥離後化学的消化法を用いて,肝表在の毛細リンパ管を走査電顕で観察し,次のような結果を得た.1.本法は肝表在毛細リンパ管の立体的構築とその非自由表面を観察するのに有用な方法であった.2.正常肝およびIPH肝の表在毛細リンパ管の立体的構築を明らかにした.すなわち前者は網目状に走行し,後者は不規則な吻合と分枝を行いながら走行していた.3.非自由表面の観察では,内皮細胞間隙以外に小孔と篩板状に集簇する小孔が観察された.これらの小孔の存在を肝表在毛細リンパ管について,はじめて明らかにすることができた. IPH肝ではこれらの小孔はより増加していた.4.上述のIPH肝の表在毛細リンパ管の形態学的変化は肝リンパがより増加していることによる反応と考えられた.                 (平成3年2月27日採用)
著者名
徳光 誠司
17
1
1-10
DOI
10.11482/KMJ17(1)1-10.1991.pdf

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