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肝癌に対する制癌剤の経門脈的投与療法に関する基礎的研究(第2報) ―Doxorubicinの組織内濃度変化について一

肝細胞を制癌剤による障害から保護する目的で, fructose溶液を経門脈的に注入し,肝におけるfructoseの急激な代謝で,肝エネルギーレベルを一過性に低下させることにより,制癌剤の代謝過程で生じる有害な中間代謝産物やフリーラジカルが減少するため,薬剤に’よる肝細胞障害を抑制しうる方法を考案して先に報告した.今回,経門脈的制癌剤投与直前に40% fructose溶液を5分間注入し,末梢静脈内,肝組織内,腫瘍組織内薬剤濃度の経時的変化を測定した. 1.末梢静脈血の経時的濃度変化は,制癌剤投与終了後3分で, 3.8μg/mlまで上昇し,その後は次第に低下した.投与終了後10分では,末梢静脈内に投与した場合と同程度の濃度となった. 2.肝組織内の経時的濃度変化は,3分で最高値を示し,門脈内制癌剤単独投与に比べ投与終了後15分値,30分値で有意に低下した. 3.腫瘍組織内の経時的濃度変化は, fructose溶液の前注入の有無にかかわらず,末梢静脈内投与に比べ有意に高値を示した. 4.腫瘍組織内濃度と肝組織内濃度の比は, 40% fructoseの前注入を行うと,わずかではあるが上昇させる傾向にあった.             (平成3年10月19日採用)
著者名
延藤 浩
17
3
289-295

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