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穿孔性腹膜炎を契機に発見された小腸GIST 破裂の1例

症例は57歳の男性で,近医より急性虫垂炎の疑いにて当院救急外来へ紹介初診の際の理学所見にて下腹部正中に圧痛を認め,血液生化学検査では炎症反応の上昇を伴っていた.腹部造影CT 検査にて圧痛部位に一致して小腸と連続した直径13 ㎝大の巨大腫瘍を認め,腫瘍内部及び周囲腹腔内に遊離ガスを認めた.小腸腫瘍破裂による穿孔性腹膜炎の診断にて緊急開腹手術を施行したところ,トライツ靭帯より約30 cm の空腸に連続した直径13.5 ㎝大の腫瘍を認め,空腸内腔との交通を有する粘膜下腫瘍の形態を示し,腫瘍表面が一部破綻して穿孔していた.腫瘍を含めて空腸を部分切除し,腹腔内洗浄ドレナージを行った.摘出組織を検索するに,空腸粘膜に5 mm 大の瘻孔口が開口し,瘻孔は腫瘍内部に通じていた.腫瘍表面には線維性被膜を有し,内容は白色充実性で出血や壊死巣が存在し,組織学的観察では紡錘形細胞が索状に錯綜しながら密に浸潤増殖していた.免疫組織学的検討において,腫瘍細胞は c-kit 陽性, CD34は一部陽性で,空腸原発のGastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断した.核分裂像は 3/50HPF 程度で,MIB-1は 約19%の細胞で陽性であった.術中の肉眼的観察及び術後のFDG-PET にて腫瘍の残存は認めなかったものの,小腸原発,腫瘍径,腫瘍破裂を伴うことから高リスク症例に分類され,術後補助化学療法の適応症例であった. 穿孔性腹膜炎を契機に発見されたGIST 症例は比較的稀ではあるが,小腸GIST は無症候で巨大化した後に発見されることが多く,他部位原発のGIST と比し予後不良である.本症例のような破裂を伴って診断される症例においては,再発の高リスク群に該当することから,術後補助化学療法の適応であり,また厳重なフォローアップを要する.doi:10.11482/KMJ-J40(2)115 (平成26年6月25日受理)
著者名
髙岡 宗徳,他
40
2
115-121

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