h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

C型肝炎について一外来患者におけるHCV抗体陽性率と治療法の展望-

外来患者147名についてHCV抗体陽性率を検討した.慢性肝炎68例中43例(63.2%),肝硬変52例中39例(75.0%)にHCV抗体陽性を示したが,アルコール性肝障害や脂肪肝では全例陰性であった.輸血歴のある29例中21例(72.4 %)で陽性であったが,輸血歴の明らかでない110例中56例(50.9%)も陽性を示しており,散発性非A非B型肝炎でも半数はHCV抗体陽性であった. HCV抗体陽性慢性肝炎の平均年齢は53.1歳であった.肝硬変の平均年齢は61.3歳と高く,49歳以下の肝硬変は認めなかった.C型肝炎の治療法としてインターフェロン療法が注目されているが,現在までの報告を渉猟し,その有用性について検討した.インターフェロンによるGPT改善率はおおむね50%,組織学的改善率は30%にみられ,投与方法は週3回,投与期間は半年以上で,1日投与量は300万単位(3 MU)が望ましいと考えられた.                             (平成2年7月24日採用)
著者名
山本 晋一郎,他
16
2
135-140
DOI
10.11482/KMJ-J16(2)135

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