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Online edition:ISSN 2758-089X

内視鏡下レーザー凝固止血が効を奏した急性出血性直腸潰瘍の1例

急性出血性直腸潰瘍の1例を報告した.症例は78歳女性,右不全麻痺,言語障害で外来を受診し,左脳梗塞と診断され,本院神経内科へ入院.入院第9病日目,突然,無痛性の新鮮下血を大量に認めた.同日の緊急大腸内視鏡検査で,歯状線から2cm口側左側壁に約5~10 mm大の地図状直腸潰瘍を3個認めるも出血を認めなかった.翌日の大腸内視鐃検査では同部に一部,露出血管様病変を認めたが止血していた.同日夕方,再度大量出血し,前ショック状態となり,第3回目の大腸内視鏡検査を行った.前回内視鏡時認められた部位に動脈性出血点を認めレーザー凝固止血法を用いて止血し得た.出血後,19日目の大腸内視鐃検査では瘢痕状態を確認した.            (平成2年8月24日採用)
著者名
藤村 宜憲,他
16
2
185-189
DOI
10.11482/KMJ-J16(2)185

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