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Online edition:ISSN 2758-089X

Microfold Cell 単離の試み

ヒトパイエル板リンパ濾胞上皮細胞間に存在する microfold cell (M細胞)はOwenらによって報告されて以来検討が加えられ,免疫組織学的に消化管局所免疫の第一線を担う細胞であることが明らかにされつつある.しかし,なぜM細胞が抗原物質を捕捉するかについてはいまだ明らかにされていない.このため従来の胞細分離(トリプシンーEDTA)法に改良を加え,フローサイトメトリーを応用した方法で家兎回腸パイエル板からM細胞単離を試みた.単離した細胞形態は電顕学的に観察し,機能検討にはBCG菌捕捉の有無を観察し下記の結果を得た.1)形態学的によく維持されたM細胞を単離回収することができた.2)単離したM細胞はBCG菌体をmicrofoldを伸ばして捕捉していた.この細胞単離法はM細胞単離に有効であり,今後のM細胞機能解明に寄与できるものと考えられた.(平成元年3月6日採用)
著者名
小塚 一史
15
2
277-286
DOI
10.11482/KMJ-J15(2)277

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