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Online edition:ISSN 2758-089X

最近10年間に当科で経験したMyelodysplastic Syndrome(MDS)30症例の臨床的検討

当科で経験したMDS 30症例について,検査所見,鉄代謝,染色体分析,予後を中心に検討した.病型分類はFABの診断基準を用い5型に分類した.その内訳は, RA 7例,RARS 3例, RAEB 14例, CMML 1例, RAEB-T 5例である.年齢は28~79歳で,中央値は60歳であった.血液学的には,末梢血は造血細胞3系統ないしは2系統の異常を示し,数種の形態異常を伴っていた.鉄代謝では,特にRA, RARS において著明な無効造血の所見が認められた.30症例中,25例に染色体分析を行い,そのうち約半数の13例に核型異常を認めた.なかでも5, 7, 8番染色体異常を認めた症例が合計6例みられ,注目された.正常核型と異常核型を示す症例間では,生存期間に有意差は認められなかった.白血病への移行はRAEBで14例中6例, CMMLで1例, RAEB-Tで5例中3例にみられた.今回の我々の検討では, MDS各病型と臨床的特徴との間には相関関係がみられ,過去の諸家の報告と一致した.(平成元年12月25日採用)
著者名
和田 秀穂,他
15
4
635-645
DOI
10.11482/KMJ-J15(4)635

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