h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

小 腸 腫 瘍-12症例の検討-

1973年より1986年の13年間に12例の小腸腫瘍を経験した.年齢は,35歳から72歳に及んでいた.性別では,男性9例,女性3例であった.小腸腫瘍は,7例は空腸に,5例は回腸に存在した.症状としては,腹部膨満感が最も多かった.12例の内訳は,癌4例,悪性リンパ腫4例,平滑筋芽細胞腫2例,リンパ管腫1例,腺腫1例であった.癌はすべて空腸に存在し,男性3例,女性1例であった.腹部膨満感が3例に認められた.小腸造影では,3例では全周性の狭窄を,1例では不整な潰瘍を認めた.3例に内視鏡検査が施行され,2例では生検組織が採取され診断が確定した.悪性リンパ腫は空腸に1例,回腸に3例存在した.腹部膨満感が3例に認められた.小腸造影では,不整な狭窄を示した.筋原性腫瘍は回腸に存在し,リンパ管腫と腺腫は空腸に存在した.経口的小腸造影は,これらの小腸病変拾い上げに極めて有用であった.(昭和62年6月5日採用)
著者名
星加 和徳,他
14
1
14-19
DOI
10.11482/KMJ-J14(1)14

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