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FKO型床副子による小児顎関節突起骨折の機能的治療:症例報告と文献的考察

 小児顎関節突起骨折は保存治療によりリモデリングが起こり良好に経過することが多いが,同部の損傷は顎変形や顎関節強直症を後遺することがあり,慎重な対応が必要である.片側性小児顎関節突起骨折の2例(いずれも7歳で,Spiessl とSchroll 分類のⅤ型とⅥ型)に機能的顎矯正装置(FKO 型床副子)と機能的治療を応用した.FKO 型床副子は,通常の咬合より前歯部切端で2mm 程度咬合を挙上して作成した上下一体型の装置で,最低でも16時間以上装着して顎運動練習を行った.装着期間は4~6ヶ月とした.治療後は2例とも自覚症状はなく,顎機能異常もなく経過は良好であった.治療後のX 線検査では,Ⅵ型は良好な骨の復位的(解剖学的)リモデリングが得られたが,Ⅴ型は部分的な(機能的)骨リモデリングであった.この違いは顎関節突起骨折の様態に対する年齢に応じた個人の適応能力の差によると推測された.FKO 型床副子と機能的治療は,成長期の小児顎関節突起骨折において審美的ならびに機能的改善が得られる良い治療法である.(平成23年4月27日受理)
著者名
畑 毅,他
37
3
133-140

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