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最近2年間に経験した肺膿瘍の臨床的検討

肺膿瘍は,重篤な細菌感染症のーつである.当科で最近2年間に経験した13例の肺膿瘍 症例の臨床像について検討した.全例何らかの基礎疾患を有していた.悪臭を伴う喀痰が 2例で認められ嫌気性菌の感染を示唆する重要な所見となった.2例で発熱を認めなかっ た.白血球数は3例のみでしか増多がなく,特に肺腫瘍に合併した閉塞性肺炎では全例増 多を認めず肺膿瘍としては非定型的と考えられた.原因菌としては嫌気性菌が最も多いと 推測されたが,分離率は低く今後分離率向上のための努力を要すると考えられた.病変は 約半数で右上葉に存在した.肺腫瘍による閉塞性肺炎に続発する膿瘍例があり,病変中枢 部の注意深い読影に加え,より詳細な画像検査,気管支鏡検査を行う必要があると考えら れた.適切な抗菌剤の投与,喀血や膿胸に対する外科的処置の併用により,基礎疾患であ る肺癌が増悪した2例を除いて死亡例はなかった.(昭和63年5月25日採用)
著者名
池田 博胤,他
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650-657

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