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大腸多発性ポリープ症例で食道胃十二指腸内視鏡検査にて偶然発見された無症状の早期十二指腸乳頭部癌

72歳の男性が,陳旧性心筋梗塞と気管支喘息の精査希望にて1987年1月,川崎医科大学附属病院を受診した.加えて,患者は時に下腹部痛があった. 1987年6月当科入院時は下腹部痛は軽度で,理学所見も著変なかった.一般検査成績は,血清 γ-GTPの軽度の上昇以外は異常なかった.大腸内視鏡では,直腸と横行結腸に5個のポリープがあった.そのうち4個はポリペクトミー施行し,組織学的には腺管状腺腫であった.次に食道胃十二指腸内視鏡検査が行われ,表面に発赤とびらんを伴い10mm大に腫大したVater乳頭を認めた.乳頭開口部は軽度開大し,開口部の生検組織は腺癌であった。ERC,腹部超音波検査,腹部CTには異常は認められなかった.一期的に膵頭十二指腸切除術が施行され,切除標本から早期十二指腸乳頭部癌(Ac,潰瘍型, stage l)と診断された.以上の臨床経験から,食道胃十二指腸内視鐃検査は,無黄疸の早期十二指腸乳頭部癌のスクリーニング検査として非常に有用である.(昭和63年6月7日採用)
著者名
鴨井 隆一,他
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4
658-664

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