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関節炎で発症した高安動脈炎の1例

高安動脈炎は全身の大血管に炎症がおこる疾患の1つであり,大動脈及びその主要分枝や肺動脈,冠動脈に閉塞性あるいは拡張病変を来すのが特徴である.初期症状としては,発熱や全身倦怠感などを呈し,その他の症状は障害を受けた血管の部位により異なる.稀には,消化器症状や皮膚症状, 関節症状を呈する事もある. 我々は関節炎を主訴に当院を受診し,後に高安動脈炎と診断された症例を経験した.患者は40歳代女性.左膝及び左足関節痛があり,関節超音波で滑膜炎の所見が認められた.血清学的検査ではリウマトイド因子陰性,抗CCP 抗体陰性であり,未分類型関節炎として少量プレドニゾロンで治療が開始された.メトトレキサートの併用により,関節症状は改善した.しかし,治療開始6ヶ月後,胸背部痛を訴えて受診し,血液検査ではCRP 上昇を認めた.造影CT 検査で,腕頭動脈,左総頚動脈,下行大動脈に壁肥厚と周囲脂肪織濃度の上昇が認められ,高安動脈炎と診断された. 関節リウマチとしては非典型的な関節炎の症例に遭遇した場合には,常に高安動脈炎を含めた,他疾患の可能性を念頭に入れて診療を行う必要がある.doi:10.11482/KMJ-J41(2)121 (平成27年9月1日受理)
著者名
笹江 友美,他
41
2
121-127

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