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樹脂鋳型による冠微細血管構築の走査電子顕微鏡的研究

小犬心の血管鋳型を合成樹脂による鋳型法で作成し,その走査電子顕微鏡的観察を行い次のような新知見を得た. 1)両心室壁と心室中隔の毛細血管構築は差がなく,毛細血管は心筋線維と同方向に走行し,主にH型吻合をして心筋長軸方向に一致した長方形の毛細血管網を形成していた.心房壁の毛細血管構築は心室壁と異なり,毛細血管は多方向性に走行し,蛇行,屈曲し,Y型吻合が多かった.毛細血管同士の間隔は心室壁の毛細血管網よりも心房壁の方が広かった.心室壁と心房壁の毛細血管構築の差は心筋細胞の接合様式が両部位で異なるためと考えられた.心室壁と心室中隔では,細静脈の走行が毛細血管の方向に対し直角に走るものと,毛細血管の方向に平行のものとがあり,前者が多かった.毛細血管から直接小静脈に流入するものがあった. 2)心内交通枝は主として肉柱間の陥凹部にあり,右心室と右心房に多く,左心室と左心房には非常に少なかった.心内交通枝の三次元的形態観察が可能で,観察し得た種々の形態を記載した. 3)洞房結節の毛細血管構築は右心房一般心筋部のそれよりも疎であった.
著者名
中嶋 伸一郎
11
4
419-433

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