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神経再生過程における軸索の空間パターンに関する研究-神経再生過程を記述する新しい因子-

末梢神経の再生過程を電子顕微鏡写真上における再生軸索の空間配置という観点から考察した.再生神経の組織学的研究で,計量的な変量としてとりあげられてきた指標は再生神経の個数と面積(径)であったが,著者はこれらの指標に加えて,神経再生過程をさらに全体的に把握するため縫合部での再生神経の空間分布を考察した.解析手法として空間パターン解析を用いたが,これは視察によるパターン分類を確率モデルを導入して,数量的見地から検証する方法である.ラットの腓骨神経の同所性移植に基づく実験データを空間パターン解析した結果,再生軸索の空間パターンは再生の初期から後期にかけて集塊型→ランダム型→規則型と推移することが示され,神経の再生時には軸索は時間経過と共に,その相互の位置関係が大きく変動することが.明らかにされた.また,この軸索の空間パターンの推移は再生神経の成熟過程(軸索径の成熟)ともよく対応し,神経軸索の空間パターンは神経再生の進行を記述する新しい因子であることが示された.
著者名
有田 清三郎
11
2
215-221

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