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培養後根神経節を用いた急性砒素中毒の病理組織学的研究

マウス後根神経節の培養を行い,三酸化砒素(As2O3)の影響を位相差顕微鏡と透過型電子顕微鏡を用いて,病理組織学的に検討した.成熟培養組織に10-7Mから10-3 M 濃度の三酸化砒素を投与し,3日間継時的に観察を行った.10-6 M 以上の濃度で,形態学的な変化を認めた.神経細胞では,初期変化としてGolgi装置の膨化と小空胞の出現が顕著であった.その後,小胞体の配列の乱れと膨化がおこり,大空胞が形成された.神経細胞と比較して,衛星細胞は侵襲をうけにくかった.軸索と髄鞘では,最初に神経細線維の走行の乱れと神経微小管の消失が認められ,続いて,髄鞘の解離が生じた.変性が進行すると, myelin ovoid, myelin debris がSchwann細胞の細胞質内に観察された.以上より,三酸化砒素による急性中毒の末梢神経障害は,軸索変性が主体であることが示唆された.
著者名
中野 滋子, 他
11
2
257-264

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