h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

In vitroにおける99mTc-methylene diphosphonateの標識率と安定性

骨スキャン剤である99mTc-MDPのin vitroにおける標識率と安定性およびそれらに影響する因子について,市販されている三種類のMDPキットを用いてペーパークロマトグラフィにより検討した.調製後15分における99mTc-MDPの標識率はいずれのMDPキットにおいても97%以上であり,調製後の経過時間(24時間まで),標識時にバイアルビン中に加えた99mTcO4-,溶出液の容量(10mlまで)や放射能の強さ(200~300mCi/vialまで)は標識率に影響しなかった.しかし,アスコルビン酸を含まない二種類のキットにおいては,99mTc-MDP溶液中への空気のbubblingによって標識率は低下し,free 99mTcO-4が生成された.このfree 99mTcO4-の生成は少量のアスコルビン酸の添加により効果的に防止できた.以上のことから,アスコルビン酸を含んだMDPキットのを使用するとin vitroにおけるfree 99mTcO4-の生成はほとんど無視でき,日常の骨の核医学検査,特に1本のバイアルビンで多人数の検査をする場合には便利であると考えられる.
著者名
村中 明,他
10
2
206-211
DOI
10.11482/KMJ-J10(2)206

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