h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

「不安発作―抑制型」うつ病の 2例

典型的急性不安発作で始まり,不安神経症としての臨床像を完成させたのちに,ある期間をおいて,抑制症状を主とする典型的うつ病像を呈した2症例を報告した.いずれも,うつ状態の時期には先行した不安神経症像は全く消失していた.治療的には,抗うつ剤による薬物療法を中心とした,うつ病に対する治療によって, 2症例とも完全寛解に達した.このような症例の診断学的位置づけについては治療反応から,うつ病とすべきであろうが,先行する神経症像をうつ病の前駆症状ないし仮面うつ病相とすべきか,不安神経症とうつ病の合併と考えるべきか,尚,今後の検討を要する.
著者名
宮前 文彦,他
10
2
238-243
DOI
10.11482/KMJ-J10(2)238

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