h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

β型インターフェロンと化学療法剤の併用による株化ヒト悪性腫瘍細胞の増殖抑制効果

種々の化学療法剤の抗腫瘍効果がインターフェロンとの併用によって増強するかどうかを培養ヒト細胞を用いて検討した.実験にはヒト膜朕癌由来のHT-1376細胞を主に用い,その結果をヒト子宮頸癌由来のHeLa細胞で比較検討した.薬剤の効果は,コロニー形成法で判定した.検討した抗癌剤は,代謝拮抗剤として; cytosine arabinoside (Ara-C),5-fluorouracil (5-FU), 6-mercaptopurine (6-MP), methotrexate (MTX),抗生物質として; acracinomycin (ACM), adriamycin (ADM), actinomycin-D (ACD),cycloheximide, mitomycin-C (MMC), peplomycin (PEP), puromycin,アルキル化剤として; nimustine hydrochloride (ACNU), melphalan, vinca alkaloidとして;vincristine (VCR), VP-16,その他; cisplatin (CDDP)である.インターフェロンはヒト線維芽細胞から誘導したβ型を用いた. HT-1376細胞を用いてインターフェロンとの併用により細胞増殖抑制作用の増強した薬剤は, ADM, PEP, ACNU, CDDPの4剤であった.一方, HeLaでは相乗効果が得られた薬剤はACM, ADM, PEP,5-FU,ACNU,CDDPの6剤でACM, 5-FUを除き,両細胞での併用有効薬剤は一致した.
著者名
山本 省一
10
4
465-472
DOI
10.11482/KMJ-J10(4)465

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