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Online edition:ISSN 2758-089X

ヒト多発性骨髄腫コロニー形成能と薬剤感受性試験への応用

ヒト骨髄腫細胞のコロニー形成能を11名の多発性骨髄腫患者の骨髄細胞で検討し,更に活動性病変を有する5名についてコロニー形成法を用いて薬剤感受性試験を行った.未治療および増悪症例の骨髄細胞から多数のコロニーが形成され,寛解例では少数のコロニーが形成されるか,またはコロニーが形成されなかった.コロニーはsingle cell由来で,コロニー形成にconditioned mediumを要し,コロニー構成細胞は細胞内免疫グロブリンを有することから骨髄腫由来と考えられた.薬剤感受性テストの結果は, 5例中4例においてメルファラン,アドリアマイシンに高い感受性のあることが示され,ACNUに対する感受性は5例全例に認められなかった.臨床効果との比較は, 2例で行われ,有意の相関が有ると考えられた.以上よりin vitroコロニー形成法は,骨髄腫細胞の薬剤感受性試験を施行する際,有用な方法と考えられる.
著者名
井上 信正
9
2
149-156
DOI
10.11482/KMJ-J9(2)149

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