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Online edition:ISSN 2758-089X

脳幹脳炎の2例

脳幹に主座を有する脳炎の2例を報告した.本2例の臨床的特徴としては, 1)成人発症であり, 2)先行する上気道感染症状が存在し, 3)急速な経過と改善傾向を有しており, 4)髄液にてリンパ球優位の細胞増多と,蛋白増加などの炎症所見をみとめ, 5)脳幹部の病変が考えられた.したがって本2例は Bickerstaffの述べたbrainstem encepalitisの範疇に入るものとして呈示した. 脳幹にその主座を有する炎症性病変は,一般に脳幹脳炎と総称されているが,我が国と海外ではその概念に相異が存在する.これらの脳幹脳炎の成因は未だ明らかではないが,本2例においてはウイルス感染症に加えて,脱髄性疾患の可能性もあることを示唆した.
著者名
東 靖人, 他
9
3
310-315
DOI
10.11482/KMJ-J9(3)310

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