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過敏性肺臓炎における好銀線維の動態

過敏性肺臓炎は,いったん形成された肉芽腫が時間的経過とともに線維化や瘢痕を残さずに消失していく場合が多い.線維化をきたさずに吸収される理由を明らかにするためには,胸隔炎形成ならびに肉芽腫形成からその吸収にかけての細網線維,膠原線維の形成,消失の動態をより詳しく観察する必要がある. 本報告は,モルモットでの過敏性肺臓炎で,細網,厚原両線維がいかなる変動を示しているかを調べたものである.膠原線維の形成は,いずれの時期にもみられなかった.急性期,胞隔炎形成期には細綱線維はいったん増加するが,膠原線維化を起こさず,次期の肉芽腫内では,むしろその破壊,消失がさかんであることがうかがえた.一方,細網および膠原線椎の消退を出現細胞とのからみあいの上から観察すると,好中球,マクロファージの浸潤が主体をなす炎症の時期では,細網線維の増加がみられるが,過敏性肺臓炎では,この期間が時間的に短く,軽微であり,細網線維の増生も軽度であることがわかった.また,細網線維の消失に先だってリンパ球,類上皮細胞の増加が認められた.本研究の結果から膠原線維化に至らずに細網線維が消退していく過程には,好中球,マクロファージの早期消失が重要な因子であると考えられた.ここには,リンパ球もなんらかの役割を果たしている可能性が推測される.
著者名
日浦 研哉
9
4
333-340

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