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Online edition:ISSN 2758-089X

恐怖・強迫症状の症候学的検討

恐怖・強迫症状を主訴として入院した患者44例について,男女差,発症誘因,発症年齢,結婚状態,症状類型,治療結果について調べた. 1) 恐怖・強迫症状を主症状とする入院患者は男女比2:1で男性が多かった.強迫神経症では男女差は認められなかった. 2) 発症誘因が55%の患者に認められた対人関係に関するものが一番多かった. 3) 家族負因は約20%に認められた. 4) 発症年齢は10代後半をピークに初老期まで散発的に見られた.女性では10代後半の発症と30代以後の発症に著明な差は認められなかった. 5) 強迫神経症では,男性に単身者が多い傾向がみられた.女性では結婚状態に差は認められなかった. 6) 強迫症状の中では不潔恐怖,疑惑癖,洗浄強迫,確認強迫が多かった. 7) 治療的予後は,男女差,疾患別,治療法による著明な差は認められなかった.
著者名
中山 純維, 他
8
1
23-30
DOI
10.11482/KMJ-J8(1)23

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