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筋電図からみたバセドウ病ミオパチーの研究 ―ヒト及びT3投与ラットについて―

甲状腺機能亢進症患者に,しばしは認められる筋障害について,1)筋電計を用い観察するとともに,モデル実験として甲状腺ホルモンを投与したラットの筋異常について観察した.なお,筋電図異常の判定には,周波数分析と波形積分値を総合した. 1.ヒト甲状腺機能亢進症の筋電図異常は, A型高周波成分の増加, B型高周波成分の増加及び低周波成分の低下, C型AまたはB型に積分値の低下を伴うものの3型,これら以外にD型有意の差を認めないものを加えた4型がみられた. 2.甲状腺機能亢進症患者36例(男性9例,女性27例)のうち,筋電図上ミオパチーを示した頻度は75%(男性89%,女性70%)であり,近位筋と遠位筋におけるものの差は明らかでない.左前脛骨筋の異常は,男性が高率であり,男性75%,女性38%であった.左三角筋では差がなかった. 3.筋電図異常と病悩期間や血清T3値との間の相関は,明らかにし得なかった. 4.治療により甲状腺機能が正常となっても,筋電図の正常化は遅延する. 5.ラットの甲状腺ホルモン投与による筋電図変化は,まず,高周波成分の増加,続いて低周波成分の低下,波形積分値の低下の順で起こり,経時的相関を認めた. 6. T3を投与したラットにおける6週後の筋線維の形態学的変化は,直径が対照群に比し短かった.
著者名
中西 由理
8
4
345-357

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