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トルコ鞍部 Dermoid Cystの1手術例

56歳男性のトルコ鞍部のdermoid cystの症例を呈示した.術前診断は嫌色素性腺腫であったが,経蝶形骨洞手術で得られた内容は白色粘液様であり,扁平上皮塊がみられた. 5カ月後急速に視交叉症候群が出現したため,右前頭開頭による再手術を行った.厚い壁をもつ嚢腫が両側視神経を圧迫,穿刺吸引した内容は前回と同様であった.嚢腫壁は汗腺類似の構造を含む扁平上皮と結合織からなり, dermoid cystと診断された.患者は術後3日目痙攣重積と間脳・下垂体機能不全のため不幸な転帰をとった.以上の症例をあげ, トルコ鞍近傍の嚢腫性病変の鑑別診断について述べ,病理発生学的な見地からcraniopharyngiomaおよび,Rathke's cleft cystとトルコ鞍部のdermoid cystは,胎生期にRathke's pouchによりもたらされた原始口腔由来の上皮を共通の基盤として発生している可能性があることを指摘した.
著者名
中條 節男, 他
8
4
387-392

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