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Online edition:ISSN 2758-089X

小児中枢神経疾患の頭部CTに関する研究 第3編 てんかん患者の頭部CT所見

2カ月~20歳(平均8歳7カ月)のてんかん患者に対し頭部CTと脳波検査を施行し,以下の結果を得た. 1)運動麻痔を伴う群では伴わない群に比べCT異常率は2倍以上高かった.2)運動麻痔を伴わない群では乳児けい屈発作,Lennox-Gastaut症候群,複雑部分発作を有す患者のCT異常率が高かった.3)精薄群は知能正常群よりCT異常率が高かった.4)発作未抑制群は抑制群よりCT異常率が高かった.5)脳波の基礎波が正常のものは大部分CTも正常であったが,基礎波が異常なものはCT異常を示すものが多く,殊に基礎波に左右差を認めるものは高率にCT異常を示した.6)基礎波に左右差を認めた10例のうち,70%において脳波上の異常側とCT上の異常側とが一致した.逆に, CTで半球性異常を示した11例のうち,64%においてCT上の異常側と脳波上の異常側とが一致した.7)脳波で発作波を認めた82例のうち,発作波出現側とCT異常側とは24%で,発作波の局在とCT異常部位とは16%で一致したにすぎなかった.しかしながら, CTで異常を示した33例に限ってみると, CT異常側と発作波出現側とは61%で, CT異常部位と発作波の局在とは39%で一致した.
著者名
熊埜御堂 義昭
7
1
22-32
DOI
10.11482/KMJ-J7(1)22

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