h_kaishi
Online edition:ISSN 2758-089X

食道静脈瘤に対する内視鏡的栓塞療法の検討

7例の食道静脈瘤患者に対し,ファイバースコープを用いて栓塞剤(Ethanolamineoleate)を食道静脈瘤の血管内に注入する内視鏡的栓塞療法を試みた.食道静脈瘤の血管内に,栓塞剤を注入可能であった6例は,全例その色調,形態,占居部位等の改善を認めた.このうち2例は剖検により血栓形成を確認した.これら食道静脈瘤血管内に栓塞剤を注入可能であった症例において,発熱は必発であったが, 1日~1.5日で解熱した.15ml以上注入した症例にはへモグロビン尿が認められた. 内視鏡的栓塞療法は患者の苦痛が少なく,適応症例は広く,くりかえし施行でき,手技が容易である利点を持っており,食道静脈瘤出血ならびその予防的な処置としては,最も有効な方法の一つと考えられた.
著者名
篠原 昭博, 他
7
1
47-56
DOI
10.11482/KMJ-J7(1)47

b_download