h_kaishi

t_toukou

小児中枢神経疾患の頭部CTに関する研究 14編 痙攣重積状態患者のCT所見

1カ月~15歳の痙攣重積状態(Status Convulsivus以下SCと略す)患者40例に対し, 経時的にCTと脳波検査を施行し,以下の結果を得た. 1) CT異常としては第I期(SC後1週未満)には脳浮腫を,第II期以降(SC後1週 以降)には脳萎縮を示すものが多かった. 2)脳波の基礎波はSC後早い時期には全般性徐波又は左右差を示し,時間が経つにつれ正常又は軽度律動異常を示すものが多くなった. 3)脳波上の発作波の焦点は第I期では後頭部と前頭部が過半数を占めていたが,第ⅠⅤ期(SC後1年以降)では側頭部が過半数を占めるようになった. 4)発症年齢別にみたCT異常率は1歳未満と3~5歳において高かった. 5)全身痙攣と半身痙攣のCT異常率に差はなかったが,前者は広汎性異常を,後者は半球性異常を示すものが多かった. 6) SCの持続時間の長いもの程, CT異常率は高かった.  7) Diazepam(以下DZPと略す)無効例のCT異常率はDZP有効例の約2倍で,前 者には半球性異常,後者には広汎性異常を示すものが多かった. 8)基礎疾患別CT異常率は症候性てんかんが100%,中枢神経系感染症が71%,特発 性てんかんが29%,代謝疾患および原因不明群が0%であった.  9) SC後の知能予後とSC後のCT所見には強い相関がみられた.即ち,CT異常率 知能予後の良好なものでは低く,不良なものでは高かった. 10) SC後に恒久的片麻痺を残したものでは全例にCT異常を認めたが,一過性運動障 害を残したものと運動障害を全く残さなかったものにはCT異常率に有意差はなかった. 11) SC後の脳波の基礎波が正常又は軽度律動異常のものでは大部分がCTは正常であり,基礎波の全般性異常にはCTで広汎性異常を,基礎波で左右差を示すものにはCTで半球性異常を示すものが多かった.逆に, CT所見の方からみると, CTが正常なものでは基礎波は全例正常又は軽度律動異常を, CTで広汎性異常を示すものには基礎波の全般性異常を, CTで半球性異常を示すものには基礎波の左右差を認めるものが多かった. 12) SC後の脳波でslow spike & waveやmultiple spikes & waveを認めるものでは殆どの症例が, single spikeやsharp waveを認めるものでは約半数がCT異常を示したのに対し,発作波を認めないものでは殆どがCTは正常であった. 13) SC後のCT異常側とSC後の脳波における発作波出現側とは39%,CT異常部位と発作波の局在とは13%で一致したにすぎなかった.
著者名
熊埜御堂 義昭
7
2
150-163

b_download